Case Study|Radiative Cooling Coating

タンク・コンテナ・鋼板屋根に放射冷却塗料:表面温度 15~25℃ 低下

貯油タンク・コンテナ・鋼構造の屋根は形が複雑で面積も大きく、フィルムを貼りにくい表面です。こうした表面には放射冷却塗料を使います。水性アクリル系で、下塗り・中塗り・上塗りの 3 工程で施工し、ステンレス・炭素鋼・コンクリートに対応します。以下は石油化学工場・コンテナ・変電設備・倉庫での施工結果です。

現場石油化学の油槽所・コンテナ・変電設備・工場の屋根(匿名)
対策水性アクリル冷却塗料、下塗り+中塗り+上塗り
仕様日射反射率 約 86%、放射率 約 90%、冷却能力 約 100 W/㎡
白い冷却塗料を塗った石油化学工場の貯油タンク
イメージ図:貯油タンクに冷却塗料を施工
石油化学工場の横型タンク|晴天−15.6℃タンク頂部の日中最大温度差
ある油槽所の縦型タンク−25℃表面は 25℃ 以上、油温は 2℃ 低下
小型倉庫|屋根と外壁−31.6%電力量 32.87 → 22.49 kWh

要点:放射冷却塗料を塗ると、何度下がるか?

ある石油化学工場の軽油吸収タンクに冷却塗料を施工し、未施工の同型タンクと比較したところ、晴天の日中にタンク頂部は最大 15.6℃、胴部中央は 12.8℃、底部は 11.1℃ 低く、出口部の温度は 40℃ から 35℃ に下がりました。別の油槽所の縦型タンクでは、表面温度が 25℃ 以上、油温が 2℃ 下がっています。塗料は形が複雑でフィルムを貼りにくい表面に向いており、平らな屋根や筐体には反射フィルムをおすすめします。

なぜ貯油タンクを冷やす必要があるのか?

石油化学・石油製品業のタンクの多くは鋼製で、夏は長時間日にさらされ、タンク表面と内部の温度が高止まりします。温度が高いほどタンク内の圧力が上がり、油の揮発も早まって、安全上のリスク、物質の損失、揮発性有機化合物(VOC)の排出につながります。よくある対策は散水による冷却ですが、水と電力を使い続け、タンクの腐食も早めます。

散水で冷却

  • 水と電力を使い続ける
  • 散水を止めると温度が戻る
  • 湿気でタンクの腐食が進む

放射冷却塗料を塗る

  • 電気も水も不要
  • 終日パッシブに冷却
  • タンクの保護塗膜も兼ねる

石油化学工場のタンク:7 日間の比較で、晴天時のタンク頂部が最大 15.6℃ 低い

ある石油化学工場の軽油吸収タンク(横型タンク直径 1.6 m、縦型タンク直径 1.2 m)に、2019 年 9 月に約 70 ㎡ の冷却塗料を施工し、同じエリアの未施工タンクと 7 日間連続で日中の最大温度差を比較しました:

施工タンクと未施工タンクの日中最大温度差
日付・天気タンク頂部胴部中央胴部底部
10/01 雨−0.8℃−1.7℃−4.5℃
10/02 曇り−13.7℃−12.4℃−9.1℃
10/03 晴れ−15.6℃−12.8℃−11.1℃
10/04 曇り−10.3℃−7.8℃−8.7℃
10/05 雨−7.4℃−5.5℃−7.4℃
10/06 曇り−5.5℃−5.3℃−7.0℃
10/07 晴れ−11.1℃−9.1℃−8.4℃

晴天時に効果が最も大きく、曇りや雨の日は日射が少ないため温度差も小さくなりますが、夜間も未施工タンクより 0.6~9.4℃ 低い状態が続きました。タンク出口部の温度は 40℃ から 35℃ に下がっています。

油槽所の縦型タンク:表面 25℃ 以上、油温 2℃ 低下

ある油槽所の鋼製縦型貯油タンクで、1 基に冷却塗料を施工し、もう 1 基はそのままで比較:施工したタンクは表面温度が 25℃ 以上大きく下がり、タンク内の油温も 2℃ 下がりました。油温が下がれば、揮発とタンク内圧力のリスクも下がります。

コンテナ・変電設備・倉庫

その他の現場での施工結果
現場施工結果
ドバイのあるコンテナ外殻に冷却塗料を施工天井の最大温度差 18℃
マレーシアのある変電設備建物の外表面に塗料を施工表面温度が最大 19.6℃ 低下
小型倉庫(2.5 × 2.3 × 2.5 m)屋根と外壁に塗料を施工電力量 32.87 → 22.49 kWh、31.6% 削減

同じ小型倉庫に反射フィルムを貼った場合、電力量は 18.04 kWh から 9.05 kWh に下がり、49.8% 削減でした。平らな面にフィルムを貼れるなら、通常はフィルムのほうが塗料より効果が高くなります。

屋根と外壁への施工

冷却塗料は日本の空港のビジネスジェット用ターミナルの屋根(ガルバリウム鋼板、約 300 ㎡)、空港の守衛所のステンレス屋根(約 60 ㎡)、自動車整備工場のステンレス屋根(約 900 ㎡)にも使われています。

建物の外壁には石目調の冷却塗料もあり、一般的な石材調塗料と比べて表面温度が 10~15℃ 低くなります。大規模な老朽住宅の改修(約 80 万㎡)の外壁にも使われ、外観と温度低減を両立しています。

塗料とフィルムはどう選ぶか?

冷却塗料と反射フィルムの比較
項目冷却塗料反射フィルム
向いている表面タンク・鋼構造・配管・形が複雑な表面平らな屋根・筐体・コンテナ・搭乗橋
日射反射率約 86%約 83%
放射率約 90%>90%
施工下塗り・中塗り・上塗りの 3 工程、素地調整が必要直接貼付、平滑面・粗面とも可
同条件の小型倉庫での節電31.6%49.8%

よくある質問

放射冷却塗料は既存の貯油タンクにも塗れますか?

塗れます。既存のタンクはまず素地調整(さび落とし・清掃)を行い、下塗り・中塗り・上塗りの 3 工程を順に施工します。塗料はステンレス・炭素鋼・コンクリートなどの下地に対応しています。

貯油タンクに冷却塗料を塗ると、何度下がりますか?

ある石油化学工場の比較では、晴天の日中にタンク頂部が最大 15.6℃ 低くなりました。別の油槽所の縦型タンクでは表面が 25℃ 以上、油温が 2℃ 下がっています。実際の低下幅は日射・タンクの大きさ・油種によって異なります。

塗料とフィルム、どちらが効果的ですか?

同条件の小型倉庫では、反射フィルムで 49.8%、塗料で 31.6% の節電でした。平らな面にフィルムを貼れるならフィルムを、形が複雑で配管や溶接部があり貼りにくい部分には塗料をおすすめします。両者を組み合わせることもできます。

台湾ではどんな場所に向いていますか?

石油化学・石油製品業のタンク、化学品タンク、工場の鋼構造屋根と配管架台、屋外変電設備の建物、コンテナ事務所、外壁温度を下げたい建物です。

Your turn

御社の現場にも似た課題がありますか?

状況をお聞かせいただければ、DEYly が初期評価をお手伝いします。まず測ってから判断し、効果はデータで示します。