Radiative Cooling Film

放射冷却フィルム電気を使わず、日射を反射し熱を宇宙へ放射。屋根や設備表面を最大 20~35℃ 低減

放射冷却フィルムは屋根・筐体・ガラスに貼るフィルムです。日射を反射すると同時に、熱を 8~13 μm の赤外線として大気を通り抜けて宇宙へ直接放出します。遮熱塗料と違い、電気を使わずに表面温度を外気温より低くできるのが特長です。空港の搭乗橋、高速鉄道駅の屋根、変電設備、穀物倉庫などで使われており、国際空港の搭乗橋では年間 44% の節電を実測しています。

消費電力 0パッシブ冷却
−20~35℃搭乗橋の屋根表面
44%搭乗橋の年間節電(2 年間)
>90%大気の窓の放射率
概念図:冷凍機システム内の設置場所(系統図全体を見る)
E環境

ESG の位置づけ:E(環境)に対応DEYly の ESG の考え方 →

説明できる効果
電気も水も使わずに建物・設備の日射熱負荷を下げ、冷房電力とそれに伴う CO₂ 排出を削減します(E)。
主張の範囲
効果には日射と空が見えることが必要です。冬季の暖房電力はわずかに増えます(メーカー実測で 3.2% 以内)。節電率は建物と空調の条件で異なるため、導入前にまず 1 か所で試験施工して測定します。

How it works電気を使わないのに、なぜ外気温より冷たくなるのか?

太陽の表面は約 5,500℃、地球は約 25℃、宇宙空間は約 −270℃。晴れた夜が特に冷えるのは、地面の熱が赤外線として大気を通り抜け宇宙へ逃げるからで、これを放射冷却といいます。放射冷却フィルムはこの現象を昼間に再現します。日射を反射しつつ、熱を 8~13 μm の赤外線として放射。この波長帯は大気にほとんど吸収されないため(「大気の窓」と呼ばれます)、熱は宇宙へ直接逃げていきます。出ていく熱が入ってくる熱より多ければ、表面は外気温より低くなります。

放射冷却の原理:一般的な鋼板屋根は日射を吸収して 61.2℃、放射冷却フィルムを貼った屋根は日射を反射し 8–13 μm の赤外線で熱を宇宙へ逃がして表面 36.3℃
同じ時間帯、外気 28.4℃ で、一般的な屋根の表面は 61.2℃、フィルムを貼った屋根は 36.3℃(メーカーが日本のプレハブで実測)。
① 日射を反射反射フィルムの日射反射率は約 83%、冷却塗料は約 86%。日射熱の大半を入れない。
② 熱を放射8~13 μm の赤外放射率 90% 以上。塗料の平均冷却能力は約 100 W/㎡。
③ 消費電力ゼロ電源も水も可動部品もなし。貼るか塗るだけで機能する。

Product line表面に応じた 3 種類の製品

光を通さない屋根や筐体には反射フィルム、採光を残したいガラスには透明窓用フィルム、形が複雑でフィルムを貼りにくい鋼構造物やタンクには冷却塗料。

放射冷却反射フィルムのロール、シルバーとホワイト

反射フィルム

金属屋根、搭乗橋の屋根、配電盤、コンテナの外面に。平滑面にも粗面にも施工でき、マットシルバーとホワイトから選べます。

  • 日射反射率 約 83%
  • 放射率 >90%
  • 厚さ 180 μm
放射冷却の透明窓用フィルムのロール

透明窓用フィルム

ガラスカーテンウォール・天窓・採光ドームの内側または外側に。採光を保ちながら日射熱を遮り、窓際の暑さを和らげます。

  • 可視光透過率 約 70%
  • 遮蔽係数 0.66
  • 放射率 >90%
作業員がロープで吊られて貯油タンクの外壁に放射冷却塗料を施工

冷却塗料

水性アクリル系。ステンレス・炭素鋼・コンクリートなどの下地に対応し、タンク・鋼板屋根・外壁・変電設備に使われます。

  • 日射反射率 約 86%
  • 放射率 約 90%
  • 冷却能力 約 100 W/㎡

ほかに冷却生地(テント・日よけ・車両カバー)や膜構造用の ETFE 材料もあり、案件に応じてご相談いただけます。

Test data実測で何度下がり、どれだけ節電できるか?

以下はメーカーがモデルハウス・プレハブ・小型倉庫で行った比較実測です。同じ建物を施工あり・なしの 2 棟用意し、同時に測定しました。

−34℃

屋根の外表面

モデルハウスで空調を使わない場合、屋根外表面は最大 34℃、室内は最大 16℃ 低下。

メーカー実測・比較棟
57%

空調使用時の平均節電

同じモデルハウスで空調を使って比較すると、平均節電は約 57%、1 日の最大は 63.4%。

メーカー実測・比較棟
−49.8%

小型倉庫の電力量

小型倉庫に反射フィルムを貼ると電力量は 18.04 → 9.05 kWh。冷却塗料では −31.6%。

メーカー実測
28→5%

窓際の不満率

ガラスドームに透明窓用フィルムを貼ると、平均放射温度は 33.7 → 26.4℃、温熱的な不満は 28% → 5%。

メーカー実測・外気 35℃
プレハブの比較実測(日本、外気 28.4℃)
測定位置一般的なプレハブ放射冷却フィルム施工温度差
屋根表面61.2℃36.3℃−24.9℃
室内の天井48.6℃37.2℃−11.4℃
室内の空気42.5℃33.1℃−9.4℃

モデルハウスの節電率は、小さな建物で屋根が外表面に占める割合が高い条件で測ったものです。一般的な工場やビルでは節電率は低めになるため、試験施工の測定結果で判断してください。

Field results導入実績:空港・電力設備・穀物倉庫で使用

放射冷却が最も効くのは、一日中日が当たり、熱が室内や設備に伝わる表面です。以下は各種現場での実際の施工結果です(現場名は匿名)。

日本のある国際空港の連絡通路の内部
日本・東京のある国際空港の連絡通路:屋根外表面の温度差は最大 25.3℃、室内天井の温度差は 8.2℃。屋根表面は外気温より 6.3℃ 低くなりました。
熱画像:放射冷却フィルムを施工した通路の屋根は青色(低温)
施工後(熱画像)
熱画像:未施工の通路の屋根は赤色(高温)
未施工(熱画像)
空港ターミナルの搭乗橋
44%

空港の搭乗橋

シンガポールのある国際空港の搭乗橋で、屋根外表面が 20~35℃ 低下し、2 年連続で年平均 44% の節電。日本・ドバイ・中国の空港でも施工されています。

空港側の実測事例の詳細 →
変電所内の屋外制御盤
−15~30℃

変電設備と配電盤

10 kV~750 kV の変電所・配電盤・制御盤で、表面が 15~30℃、内部が 7~16℃ 低下。27 の省・地域で施工実績があります。

メーカー実績事例の詳細 →
太陽光発電所の高圧受変電盤
−31.6℃

太陽光発電所の高圧盤

日本のある太陽光発電所の高圧受変電盤 7 基で、表面温度が 53.6℃ → 22.0℃。

メーカー実績・熱画像測定事例の詳細 →
屋根に放射冷却材料を施工した穀物倉庫
−10.4℃

穀物倉庫(年中空調なし)

庫内温度は最大 10.4℃、年平均 5℃ 低下し、表層の穀物温度は 4.5℃ 低下。累計施工面積は 100 万㎡ 超。

メーカー実績事例の詳細 →
ガラスカーテンウォールと天窓のあるオフィスビルのアトリウム
40→5%

ガラスカーテンウォールと天窓

オフィスビルのガラスに透明窓用フィルムを貼ると、外気 38℃・空調 26℃ で窓際の温熱的な不満が 40% から 5% に。ガラスドームの平均放射温度は 33.7 → 26.4℃。

メーカー実測・温熱快適性指標事例の詳細 →
高速鉄道駅の大面積の金属屋根
10 万㎡

高速鉄道駅の金属屋根

中国のある新設高速鉄道駅で金属屋根全面に反射フィルムを施工。グリーンビルディングの省エネ策の 1 つとして採用されました。

メーカー実績
石油化学工場の貯油タンク
−25℃

石油化学の貯油タンク

ある石油化学の油槽所でタンクに冷却塗料を施工し、表面温度は 25℃ 以上、油温は 2℃ 低下。揮発と圧力のリスクを低減しました。

メーカー実績事例の詳細 →

vs. heat-reflective paint遮熱塗料や断熱材との違いは?

遮熱塗料や断熱材は熱を吸いにくく、伝わりにくくするもので、日なたでは温度が外気温より高いままです。放射冷却材料は熱を積極的に逃がします。メーカーが東京で金属板を同時比較したところ、フィルムは他社品より 5.9℃、塗料は 3.7℃ 低くなりました。

放射冷却と従来の断熱方式の比較
比較遮熱塗料(遮熱)断熱材(断熱)放射冷却フィルム/塗料
原理日射の一部を反射熱伝導を遅らせる日射を反射+熱を宇宙へ放射
日射下の温度外気温より高い外気温より高く、熱がこもりやすい外気温より低くなり得る
消費電力電力不要電力不要電力不要
冬季影響は小さい保温効果あり暖房電力がわずかに増加(メーカー実測で 3.2% 以内)

Specifications仕様

製品仕様(測定値であり保証値ではありません)
項目反射フィルム透明窓用フィルム冷却塗料
厚さ180 μm58 μm総膜厚 約 120~160 μm
8~13 μm の放射率>90%>90%約 90%
日射反射率83%31%86%
日射透過率0%53%—
可視光透過率0%70%—
遮蔽係数—0.66—
ロール幅 × 長さ1,225 mm × 50 m1,520 mm × 30 m下塗り+中塗り+上塗りの 3 工程
色/光沢マットシルバー、ホワイト透明ホワイト

仕様は改良により変更される場合があります。数値は測定値であり保証値ではありません。

Implementation導入方法:まず 1 か所で試験施工

  1. 01現地調査日射・方位・表面材質・日陰を確認し、フィルムか塗料かを決定。
  2. 02試験施工箇所の選定分電盤 1 台や屋根の一部など、効果を測りやすい場所を選ぶ。
  3. 03ベースライン測定施工前に表面温度・室温・電力を記録。未施工の比較箇所を残すのが理想。
  4. 04試験施工で比較同じ時間帯で施工あり・なしの差を比較。電力見える化メーターで電力を記録することもできます。
  5. 05本施工試験データをもとに施工範囲を決定。

FAQよくある質問

放射冷却フィルムとは?

放射冷却フィルムは屋根・筐体・ガラスに貼る表面材料で、日射を反射すると同時に、熱を 8~13 μm の赤外線として大気を通り抜けて宇宙へ直接放射します。出ていく熱が入る熱より多いため、電気を使わずに表面温度を外気温より低くできます。

本当に節電できますか?どれくらい?

建物の条件によります。シンガポールのある国際空港の搭乗橋では 2 年連続の実測で年平均 44% 節電、日本のある空港の連絡通路では年間約 30% の節電と推定、メーカーのモデルハウスでは空調使用時の平均節電が約 57% でした。一般的な工場やビルでは比率は低めになるため、まず試験施工で測定することをおすすめします。

冬に室内が寒くなり、暖房の電力が増えませんか?

わずかに増えますが、ごく小さな幅です。メーカーが冬季(外気 0~12℃、室内暖房 21℃)に比較したところ、施工したモデルハウスの暖房電力の増加は 3.2% 以内でした。冷却能力は温度の 4 乗に比例するため、外気温の低い冬は放熱能力が自然と小さくなるからです。

遮熱塗料と何が違いますか?

遮熱塗料は熱の吸収を減らすもので、日なたでは温度が外気温より高くなります。放射冷却材料は日射を反射するだけでなく、熱を積極的に放射するため、外気温より低くできます。メーカーが同条件で金属板を比較したところ、フィルムは他社品より 5.9℃ 低くなりました。

ガラス窓にも使えますか?暗くなりませんか?

透明窓用フィルムで対応できます。可視光透過率は約 70% で、採光を保ちながら日射熱の一部を遮ります。ガラスドームの実測では平均放射温度が 33.7℃ から 26.4℃ に、温熱的な不満が 28% から 5% に下がりました。

曇りや夜でも効果はありますか?

晴れて空が見えるときに最も効果的です。曇りの日は日射も放熱も減るため効果は小さくなります。夜は日射がなくても、表面は熱を放出し続けます。

データはメーカーの実測と各現場の実績によるもので、実際の効果は日射・天候・設置位置・建物の条件によって異なります。

Let's talk

現場の課題は、まず評価してから決める

設備・生産ライン・起きている状況をお聞かせください。現状を把握したうえで、初期評価と提案をお出しします。