Case Study|Grain Storage Cooling

穀物倉庫の屋根に放射冷却フィルム:空調なしで庫内温度が最大 10.4℃ 低下

穀物倉庫の屋根は一日中日にさらされ、熱が倉内に伝わって表層の穀物温度が上がり、品質が劣化します。従来は空調で温度を管理していましたが、電気代も初期費用もかかります。穀物倉庫の屋根と外壁に反射型の放射冷却フィルムを貼り、電源も倉庫構造の変更もなしに、隣接する未施工の倉庫と同時に測定しました。

現場平屋倉庫・浅型円形倉庫などの穀物倉庫(匿名)
規模18 の省・地域、累計 100 万㎡ 超
対策屋根と外壁に反射フィルム、電源不要
屋根に銀色の反射型放射冷却フィルムを施工した穀物倉庫
イメージ図:穀物倉庫の屋根に反射フィルムを施工
通年の実倉庫比較|空調は通年オフ−10.4℃庫内温度の最大低下、年平均 5℃ 低い
表層の穀物温度−4.5℃年間最高 24.6℃(比較倉庫 28.5℃)
平屋倉庫の屋根外表面−31℃最大温度差(1,980 ㎡ の倉庫)

要点:穀物倉庫に放射冷却フィルムを貼ると、何度下がるか?

通年の実倉庫比較では、試験倉庫の屋根に反射型の放射冷却フィルムを施工し、空調は通年オフ。庫内温度は比較倉庫より最大 10.4℃、年平均 5℃ 低く、表層の穀物温度は最大 4.5℃ 低く、年間最高でも 24.6℃(比較倉庫は 28.5℃)にとどまりました。約 5,700 t の浅型円形倉庫では、屋根表面が隣接倉庫より最大 26.1℃ 低くなっています。この技術は 2020 年以降、18 の省・地域で 100 万㎡ 超に施工されています。

なぜ穀物倉庫は熱に弱いのか?

穀物は生きており、温度が高いほど呼吸作用や害虫が活発になり、品質の劣化が早まります。夏は屋根が直射日光にさらされ、熱が屋根と壁から倉内に伝わり、屋根や壁に近い穀物から温度が上がる、いわゆる「熱皮」現象が起きます。一般的には空調を追加して温度を管理しますが、倉庫は広く空調を長時間運転する必要があるため、電気代も維持費も高くなります。

空調を追加して温度管理

  • 初期費用も電気代も高い
  • 設備のメンテナンスが必要
  • 熱は屋根から入り続ける
  • 停電や故障で温度管理ができなくなる

屋根に放射冷却フィルム

  • 電源不要、電力消費ゼロ
  • 可動部品なし
  • 屋根で日射熱を断つ
  • 空調と併用でき、運転時間を削減

通年の実倉庫比較:空調は通年オフで、庫内温度は平均 5℃ 低い

条件の近い 2 つの穀物倉庫で、試験倉庫の屋根には反射フィルムを施工し、比較倉庫はそのまま。両倉庫とも空調は通年使わず、2020 年 7 月から 2021 年 12 月まで庫内温度と穀物温度を連続記録しました。

通年の実倉庫比較(空調は通年オフ)
項目結果
庫内温度最大 10.4℃ 低い
庫内温度(2021 年平均)−5℃
表層の穀物温度最大 4.5℃ 低い
表層の穀物温度の年間最高比較倉庫 28.5℃、試験倉庫 24.6℃

試験倉庫は最外周以外の穀物温度を、通年 25℃ 以下に保てました。気候条件の合う貯蔵地域では、空調なしで温度管理された貯蔵を実現でき、同時に空調の初期費用と運転・維持費も省けることになります。

浅型円形倉庫の 2 週間比較:屋根表面が最大 26.1℃ 低い

約 5,700 t の籾を貯蔵する浅型円形倉庫で、屋根(約 600 ㎡)と側面(約 2,000 ㎡)に反射フィルムと冷却塗料を施工し、隣接する未施工の倉庫と比較しました。どちらも空調なしで、2020 年 8 月 17 日から 31 日まで連続測定しています。

浅型円形倉庫の比較実測(空調なし)
測定位置最大温度差
屋根表面−26.1℃
庫内の空気−5.6℃
上層の穀物表面−4.7℃
壁際の穀物−3.6℃

平屋倉庫 2 棟:空調なしで庫内が最大 10.6℃ 低下

平屋倉庫の比較実測(空調なし)
倉庫施工面積結果
平屋倉庫 A1,524 ㎡庫内は最大 6.4℃ 低下、一日中安定し大きな変動なし
平屋倉庫 B1,980 ㎡庫内は最大 10.6℃ 低下、屋根外表面の最大温度差は 31℃

施工規模:18 の省・地域、100 万㎡ 超

2020 年以降、この技術はアーチ板屋根の平屋倉庫、カラー鋼板屋根の平屋倉庫、三角トラス倉庫、浅型円形倉庫などさまざまな倉庫タイプで使われ、累計施工は 100 万㎡ を超え、18 の省・地域に分布しています。2023 年は単年で約 30 万㎡ を納入しました。

穀物倉庫の放射冷却による断熱改修は、国の食糧主管機関の「食糧グリーン倉庫向上行動」の方向性にも盛り込まれ(高水準の穀物倉庫を新設・改修する際に新型の放射冷却材料を導入可能)、大手国家食糧備蓄企業の技術成果普及目録にも掲載されています。

台湾ではどんな倉庫に向いているか?

屋根が一日中日にさらされ、熱が入り込み、保管物が熱に弱い倉庫なら適しています。農協や精米所の穀物倉庫、飼料工場の原料倉庫、食品・飲料の常温物流倉庫、化学品・塗料の倉庫、そしてよくある鋼板屋根の倉庫です。

以上はメーカーが中国各地の穀物倉庫で得た実績で、温度低下の幅は現地の日射・倉庫タイプ・屋根材によって異なります。台湾は高温多湿のため、まず 1 棟または屋根の一部で試験施工し、隣接エリアと同時に測定してから判断することをおすすめします。

よくある質問

穀物倉庫の屋根に放射冷却フィルムを貼ると、庫内温度は何度下がりますか?

通年の実倉庫比較では、空調を通年オフにした状態で、庫内温度は最大 10.4℃、年平均 5℃ 低く、表層の穀物温度は最大 4.5℃ 低くなりました。実際の低下幅は日射・倉庫タイプ・屋根材によって異なります。

フィルムを貼れば、穀物倉庫に空調は不要になりますか?

気候条件の合う貯蔵地域では、試験倉庫は空調なしでも穀物温度を通年 25℃ 以下に保てており、空調による温度管理の代わりになりました。台湾は高温多湿のため、空調と併用して運転時間を減らすのが現実的です。まず試験施工で測定してから評価しましょう。

冬に庫内が寒くなりすぎませんか?

放射冷却の能力は温度が下がるにつれて弱まるため、冬の冷却効果は夏より小さくなります。メーカーのモデルハウスで冬季に全電化暖房で比較したところ、施工棟の暖房電力は未施工棟より 3.2% 以下の増加にとどまりました。穀物倉庫はもともと低温貯蔵が望ましいため、冬に少し低くなるのは通常問題になりません。

鋼板屋根の一般的な倉庫にも使えますか?

使えます。反射フィルムは平滑・粗面どちらの金属面にも貼れ、カラー鋼板やガルバリウム鋼板の屋根はよくある施工対象です。形が複雑でフィルムを貼りにくい部分は冷却塗料に切り替えられます。

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