How to Choose Radiative Cooling Film

放射冷却フィルムの選び方:仕様書で見るべき数値と、メーカーに求める証明

放射冷却フィルムのブランドは増え続け、どの仕様書にも高い反射率と放射率が書かれています。しかしこれらの数字は各社で測り方が違い、単純に高低を比べることはできません。本記事では、購入時に本当に見るべき点——仕様の読み方、メーカーに求めるべき実測の証明、表面ごとの製品の選び方、防火・保証・費用の評価方法——をまとめます。

要点:放射冷却フィルムはどう選ぶか?

放射冷却フィルムは、仕様書の反射率と放射率だけで比べてはいけません。各社で測定の波長帯・機器・サンプルの条件が違い、数字を直接比較できないからです。本当に見るべきは 3 つ:同条件での実測の温度差(比較対象があるのが理想)、長期の節電データと大面積の実績、そして防火等級・保証・屋外耐候性です。表面が違えば製品も違います。光を通さない屋根には反射フィルム、ガラスには透明窓用フィルム、形が複雑な鋼構造には塗料。最後に必ず 1 か所で試験施工し、前後の差を測ってから展開を決めましょう。

仕様書の数字はどう読むか?

放射冷却材料の仕様書には通常 2 つの重要な数字があります:日射反射率(日射をどれだけ反射するか、高いほど熱が入らない)と、8~13 μm の赤外放射率(熱をどれだけ放射するか、高いほど放熱が速い)です。原理は「放射冷却とは」をご覧ください。

問題は、この 2 つの数字が各社で測り方が違うことです。同じ材料でも測り方を変えると、数字が数ポイント違うことがあります:

なぜ仕様の数字を直接比べられないのか
違いの原因説明購入時の質問の仕方
測定波長帯反射率を 0.3~2.5 μm で計算するか、可視光だけで計算するかで結果が大きく違う「この反射率はどの波長帯で、どの規格に基づいて測ったものですか?」
サンプルの状態実験室の新しいサンプルは、出荷時のロールや施工後の表面とは違う「量産品ですか、実験サンプルですか?」
測定者メーカー自社測定か、第三者の検査機関か「第三者の検査レポートはありますか?」
代表値か保証値か「最高値」と書くものもあれば、「測定の代表値」と書くものもある「これは保証値ですか、測定値ですか?」

ですから仕様の数字は入口のハードル(放射率はおよそ 90% 以上、反射率は 80% 以上)としてのみ使い、選択の根拠にはできません。本当に比べられるのは次の実測です。

メーカーにどんな証明を求めるべきか?

  1. 同条件・同時間帯の比較実測

    最も参考になるのは「同じ場所・同じ時間に、1 か所は施工、1 か所は未施工」の温度や電力の比較です。単一地点の温度だけで比較対象のないデータでは、材料の効果か天候の差かがわかりません。

    最重要比較対象同時間帯
  2. どれだけの期間の節電データか

    何度下がったかは、どれだけ節電できたかと同じではありません。季節をまたぐ、さらには年をまたぐ電力の記録があるか、電力が使用量(人数・生産量・営業時間)で正規化されているかを確認します。たとえば空港搭乗橋の事例は、比較用の搭乗橋と 2 年連続で比較し、旅客数と便数で正規化して、年間 44% の節電という結果を得ています。

    長期で見る季節をまたぐ正規化
  3. 自社と同じタイプの実績

    モデルハウスや小型倉庫の節電率は、大型の工場より通常ずっと高くなります。屋根が外表面に占める割合が違うからです。自社と条件の近い事例——金属屋根の工場、屋外配電盤、ガラスカーテンウォール——があるか、施工面積はどれくらいかをメーカーに確認しましょう。

    類似性を見る現場の種類施工面積
  4. 同条件で他製品と比べたことはあるか

    メーカーが「同時に並べて」他製品と比較した試験をしていれば、仕様書より説得力があります。たとえば東京で金属板を並べて比較したところ、放射冷却フィルムの表面は他社品より 5.9℃ 低くなりました(メーカー実測)。

    並列試験同じ天候

表面が違えば、選ぶ製品も違う

「放射冷却フィルム」は実は製品ファミリーで、表面によって適した形態が違います。形態を間違えれば、どんなに良い材料でも力を発揮できません:

表面別の製品選び
表面適した製品注意点
金属屋根、搭乗橋、コンテナ反射フィルム(粘着剤で貼付)波板の凹凸部の貼り方、継ぎ目の処理
ガラスカーテンウォール、天窓透明窓用フィルム可視光透過率(採光)、内貼りか外貼りか
タンク、鋼構造、コンクリート冷却塗料下地との相性、塗り回数と膜厚
配電盤、受変電盤反射フィルム、または取り外せるマグネット型保守のときに外す必要があるか、扉の開閉で傷が付かないか
テント、日よけ、膜構造冷却生地、ETFE 膜材防炎等級、引張強度

1 つの工場には屋根・ガラス・屋外筐体が同時にあることがよくあります。製品ラインが揃っているほど、計画と測定を 1 社が担当でき、責任もはっきりします。

防火・保証・耐候性では何を聞くべきか?

導入前のチェックリスト
  • 防火等級建物に使うなら、不燃・難燃等級の試験証明があるか、どの国の規格に適合するかを確認
  • 保証保証期間は何年か、何を保証するか(剥離・変色か、性能か)、施工不良は誰の責任か
  • 屋外耐候性促進劣化試験はあるか、紫外線照射後に反射率がどれだけ落ちるか
  • 清掃とメンテナンスほこりは効果を下げるため、推奨の清掃頻度と方法を確認
  • 施工誰が施工するか、停止や現場の使用中止は必要か、施工後どれくらいで効果が出るか
  • 冬季の影響暖房電力はわずかに増えるため、冬季の実測があるかを確認(メーカーのモデルハウスでは増加 3.2% 以内)

費用はどう評価するか?

放射冷却フィルムの単価は一般的な遮熱塗料より高いのが普通なので、坪単価だけで比べず、回収期間を計算します:

  • 施工面積 × 単価→一度きりの材料費+施工費
  • 試験施工で測った節電量 × 電気料金→毎年削減できる電気代
  • 両者を割る→回収年数。保証と期待寿命とも照らし合わせる

電気代のほかに、電気代に換算しにくい効果も計算に入れましょう。屋外配電盤の温度低減は電子部品の故障を減らし、穀物倉庫や倉庫の温度低減は貨物の損傷を減らし、工場の温度低減は作業環境を改善します。こうした項目は電気代より価値が高いこともよくあります。

最後のステップ:まず試験施工し、測ってから決める

仕様書や事例がどれほど立派でも、御社の建物・方位・空調の条件は違います。最も確実なのは自分で測ることです:

  1. 効果を測りやすい場所を 1 か所選ぶ

    たとえば屋外配電盤 1 面、屋根の一部、小さなオフィス 1 室など。

  2. 条件の近い別の場所を比較対象にする

    同じ方位・同じ日射と使い方で、施工しない場所。

  3. 施工前にベースラインを測る

    表面温度・室内温度・電力を記録。電力は電力見える化メーターで自動記録できます。

  4. 同時間帯で比較し、範囲を決める

    晴天が中心の期間を少なくとも一定期間測り、データで展開を判断します。検証方法は「空調の省エネ効果はどう検証する」をご覧ください。

よくある質問

放射冷却フィルムはどう選べばよいですか?

反射率と放射率だけで比べてはいけません。各社で測り方が違い、直接比較できないからです。同条件で比較対象のある実測の温度差、長期の節電データ、自社に近い実績を見て、防火等級・保証・屋外耐候性を確認し、最後にまず 1 か所で試験施工して測定します。

反射率が高い放射冷却フィルムほど良いのですか?

必ずしもそうではありません。反射率の数字は測定波長帯・サンプルの状態・測定者によって変わり、仕様書で数ポイント違っても実使用では差がないこともあります。より確実なのは、同時に並べて異なる製品を比較した実測の温度です。

放射冷却フィルムと遮熱塗料、どちらが割に合いますか?

遮熱塗料は単価が低めですが、熱の吸収を減らすだけで、日なたでは外気温より高いままです。放射冷却フィルムは外気温より低くできます。比べるべきは回収期間です。施工費用を年間の電気代削減で割り、さらに設備故障や貨物損傷の減少などの効果も加えます。原理の違いは「放射冷却とは」をご覧ください。

放射冷却フィルムはどれくらい持ちますか?

製品と使用環境によって異なるため、保証期間・保証内容・促進劣化試験の結果をメーカーに確認してください。表面のほこりは効果を下げるため、定期的な清掃で性能を維持できます。

配電盤にはフィルムを貼るべきですか、マグネット型を使うべきですか?

あまり外さない筐体なら反射フィルムを直接貼れば十分です。頻繁に保守で外殻を外す場合や、賃借した場所で粘着剤を残せない場合は、取り外せるマグネット型を検討できます。

Save energy

空調を替えずに、どれだけ削減できるか?

空調の機種・台数・電力データをお知らせいただければ、省エネの余地を評価し、効果の検証方法もご説明します。